死に急ぐのはやめにした

進級する前に死のうと思っていた

将来への焦りやら、自己嫌悪やら、過去への執着やらを考え続けることに疲れてしまって、もう全て終わりにしようと決めていた

だから、学年終わりのクラス会はできるだけ笑顔で楽しんだし
学校ロッカーのブロン瓶は見つからないように靴箱に詰めたし
散らかったままの部屋も片付けたし
遺書だってPCの中に書き上げたし
必要なものは全て揃えていた

あとは本当に、飲んで吊るだけだった


終業式の日
最後のつもりで学校に行ったのに、たった数行の言葉で全部が変わった
嬉しくて、大丈夫って言われると本当に大丈夫な気がして、今度こそ頑張れると思った
死ぬのは後にしようと決めた
死にたくなくなったわけではない 一回死ぬのを遅らせただけ
生きたいわけでもない
これからも何回だって死のうと思うだろう
だけど今は違うはずだと思った

まだ薬がないとダメだし、性格もゴミだし、何もわからないままだけど
見苦しいだろうけど
もう少し頑張ると決めた